オーストラリア留学中の鈴木桃子先生から研修レポートが届きました!
こんにちは。私はいま、平成29年度愛知県教育委員会「日豪教員交換事業」を利用して、オーストラリア・ビクトリア州郊外のウォドンガ市に来ています。州都のメルボルンから、電車と長距離バスを乗り継いで6時間弱かかる、小さな田舎町です。この研修では、7月23日から8月20日の予定で現地の公立学校にお邪魔して、オーストラリアの教育システムや学校運営、そして外国語の授業について学びます。
私がお世話になっているWodonga Middle Year Collegeは、全学年で300人程度の中学校です。外国語の授業は、中学校1年生が必修科目、2・3年生は選択科目です。それぞれ15人程度の生徒が日本語の授業を受講しています。日本語を担当している先生によると、多くの生徒は、成長してそのままこの地域に残り、国内外の他の文化に触れる機会が少ないそうです。よって、授業でも、「日本語が使えるようになること」よりも、「日本文化に慣れ親しむこと」に重きを置いています。実際に私も授業の一部を担当していますが、語彙の発音や知識を正確に伝えることはもちろん、生徒が日本語に慣れ親しめるように、教材を手作りしたり様々なゲームを用意したりしています。
オーストラリアの生徒は、語弊を恐れず言えば、非常に騒がしいです。放課のテンションでそのまま授業に臨んでいる、というと様子がよく伝わると思います。その代わり、自分の意見や気持ち、困っていることを、自分の言葉で論理的に説明することが、とても上手です。教室や職員室で、先生相手に白熱した議論を繰り広げている生徒をよく見かけます。私も日本語の授業中に、「日本の中学生も制服を着るの?」「部活ってどんな感じ?」など、たくさん質問を受けました。また、チャリティ活動に参加している生徒もたくさんいて、昼放課に、カップケーキやミルクシェークを売って、資金集めをしています。少しシャイな様子を見せるときもありますが、みな積極性のある生徒たちです。
生徒は一人一台、学校が支給するiPadを持っています。これは、中3の生徒がアプリを使ってチーム対抗の単語クイズをしている様子。
漢字を背中に書いて、伝言ゲームをしている様子。打って変わってアナログなゲームですが、こちらも非常に盛り上がりました。
中1の生徒が、箸の使い方に慣れようと、割りばしでボールをつかんでリレーをするゲームをしている様子。教室外の中庭で元気よく遊びました。
数字の読み方と漢字、家族紹介に関する単語の手作りカルタカードです。数字のカルタカードは、表に算用数字、裏に漢数字を書きました。発音だけを練習したいときは表面、漢字も覚えたいときは裏面と、難易度を変えて練習できます。
ウォドンガ市内の学校を巡回して、日本語の授業のアシスタントをしている木村先生と、折り紙を使って、日本の文化を紹介する掲示物を作りました。オーストラリアと日本は季節が逆です。季節感が伝わるといいなあ。